第1話〜3話と、ブラヒロシという町あるきコラムでzattäデビューしたタテイシヒロシ。
ざっくりとコンセプトをおさらいすると…。
「車がないと生活できない」とも言われる遠州地区。
コロナ禍の時代にあっては、車通りが少なく駐車場がない小さな通りは、いつのまにか気になっていたお店がなくなっていたりして、「ここって何があったかなぁ〜」なんて寂しい思いをしたことが多くあります。
いつもと変わらずそこにあると思っていた町は、いつまでもあるわけではありません。
今こそ、小さな小さな町の呼吸に気づき、発見してみませんか?
と最もらしいことを言っていますが、取材という建前で興味のある街を散策する。
そういったコラムです。
今回の旅は…、以前から気になっていた
浜松3大”黄色い店”を廻る旅
まずは、2箇所もの黄色い店がある元魚町・伝馬町を歩いていきたいと思います。
(残りの1箇所は少し離れた場所にあるので、お店のみの紹介とさせていただきます。)
「黄色い店?? 何を言ってるんだ。コイツ。」と思うかもしれませんが、記事を読み終わる頃には「あの店気になるよな〜」となっているでしょう。
それでは今回も一緒に快適な散歩を。相棒の万歩計と一緒に歩いていきましょう。
まずは元魚町のパーキングに駐車。松尾小路という道路を歩いていきます。
そもそも、元魚町って知っていますか。
ザザシティ西館に近く、いわゆる街中ではあるのですが、大きな通りに面していない狭い路地で構成された町なので、生活の拠点にしない方にはあまり馴染みの無い町かな?と思います。
サカナ、魚、肴〜♪といえば…。
浜松の街の中心部の肴町と元魚町とは何か関係性があるのでしょうか。
むかしむかし、そのむかし。
徳川家康が浜松城にいた時代まで遡ります。
もともと浜松城御用達の魚屋さんの町だった魚町(今でいう元魚町)があったのですが、六人の魚屋さんが紺屋町通りに棚を出し魚を販売しながら、浜松城の御用をつとめることになりました。
すると、家康の家臣 本多重次によって交通の便を考え、今の肴町に魚市場をつくり魚屋さんだけの町が出来上がりました。
元々の魚町に住んでいた魚屋さんはこぞって肴町に移動してしまったため、魚町は元魚町になりましたとさ。
ざっくり言うとそんな歴史らしいです。
(歴史に詳しいかた。もし違っていたらすみません。)
ひっそりと佇む神社を見つけました。松尾神社と呼ばれる神社だそうです。
看板も立っています。読んでみましょう。
『本社は浜松の旧社にて、浜松神社と称し今をさるおよそ千三百年前の和銅年間に創立せるものにして…』
せ、1300年前!!??
調べてみると、この神社は西暦708年〜715年頃に創建されたらしいです。
その頃の歴史と言えば…。
ウィキペディア大先生に聞いてみたところ、ウマイヤ朝が西ゴート王国を滅ぼしてイベリア半島を占領をした頃なんですってよ。
え!? 知らねーよって。
う〜ん、古事記が作られた頃といった方がわかりやすいでしょうか。
いずれにしても、すごく古くから伝わっている神社なんですね。
災難除け、家内安全、交通安全、子授け、安産、醸造、土木のご利益があると言われていて、毎年6月30日には茅の輪くぐりの神事が行われるが有名なんですって。
由緒正しい神社が普通に道端にあることに少しだけ驚きました。
神社のすぐ裏手に横丁を見つけました。こういう看板を見ると「昭和っぽいっ!!」って思っちゃいます。
きになるのはやっぱりオレンジが引き立つ右側のお店。占いスナックモア!!
占いもスナックもあまり興味が無かったのですが、2つの言葉が融合し占いスナックとなることで、とても魅力を感じてしまいますね。
椎名林檎的で言うならば、無罪モラトリアムや勝訴ストリップ的な言葉のセンスと言いますか…。(椎名林檎ファンの方、ゴメンナサイ。)
しかし残念。外看板ではスナックの文字が消されていました。スナックとしての営業はやめられたのかもしれません。(代わりに透視という手書き文字が加わっていますが…)
ちなみに居酒屋のぶも気になりますが、おそらく異世界へと続くアニメとは無関係でしょう。
本当はこの通りをすぐ北に曲がると目的地の黄色い店に着くのですが、せっかくの町ブラ。
まだ時間はあるので少しブラブラします。
西に歩いていると、事務所の前で談笑している方がいらっしゃいました。せっかくなので、声をかけてみましょう。
こちらはプロダクトデザインをやっているUO DESIGNさんの事務所でした。
プロダクトデザインって言葉だけだと、あまり馴染みがなくてとっつきにくい?ですかね。
そんなアナタにHP(https://www.uo-design.jp/)を見てほしい。
仕事の振り幅に驚いちゃうからっ!!(僕もビックリしました)
文房具・家具、なんとなくプロダクトという言葉から連想しやすい仕事から、バネを人のシルエットに見立てたクリップ、虫メガネになる飴、アルミ箔をつかって粘土のように動物が作れるオモチャ、自分史のデザインなど、割と生活に身近な仕事まで。
「こんなに色々なモノを作られているんだ〜。」と、ちょっとした工夫で生活が楽しくなっちゃうような、遊び心のある製品がいくつも掲載されていました。
浜松に脈々と伝わる技術力と、若い発想力。
こんなオモシロイものづくりをされている方が地元にいらっしゃるんですね〜。
さて、ここまでの歩数は991歩。まだまだ元気いっぱいです。
少し戻って、今日の本題『黄色い店』の1つめにお邪魔しましょう。
お待たせいたしました、お待たせし過ぎたかもしれません。
ブラヒロシ認定。
浜松で気になっている黄色いお店の1つは…。(ドゥルルルルルルルルル…ジャン♪)
喫茶・軽食 たじま です!!
昭和レトロなレタリングのたじまのロゴ。黄色・赤・青と信号機のようなサイケデリックな配色の外観。このインパクトは一度見たら忘れられません。
そして気になる日替わりランチは650円と安価。
それでは早速入ってみましょう。カランコロンカラン。
薄暗い店舗には壁に絵が飾られたり、時代劇を中心としたDVDがあったりと情報量の多い内観。
コロナ対策で店内にビニールやアクリル板があるため、余計に雑多感が溢れています。
お母さんが主に接客と調理を担当。お父さんは椅子に座って時代劇を見て、料理が出来上がると配膳してくれます。
おしゃべり好きなお母さん。
「このお店は40年くらい前からやっててね〜。最近はみんな外観を写真撮るのよ〜。」
「このDVDはね。お客さんが持ってきては置いてくのよ〜。最初はスッキリしたお店だったのよ。」
「あなたの年齢を当ててあげるっ!! ん〜、50歳でしょ。」
色々とお話をしてくれます。
ちなみにブラヒロシの著者タテイシヒロシは44歳。
それを伝えると、「今はマスクしててわかんないよねぇ〜」と苦笑いしていました。オチャメな人です。
お店には女優でタレントの熊谷真美さんもいらっしゃったとか。
「お客さんの座っている席に座ったのよ〜。オーラがあったわ〜。」
おぉ〜光栄でございます。
そして山菜の天ぷらランチ。ジャーン。
ご飯・お味噌汁・旬の山菜の天ぷら・煮物・サラダが付いてきました。
天ぷら美味しかったですよ〜。650円なら大満足です。
ごちそうさまをしてお店を出ると、急に明るくなった気がして目がシパシパします。
外観からヤバイ店だったらどうしようかな…と不安でしたが、若干雑然としてはいるものの、お母さんもやさしくていいお店でした。
ではここらへんで万歩計のチェックをしてみましょう。
2259歩。
UO DESIGNのあたりで少し寄り道していたからでしょうか。
思っていた以上に歩いていたようです。
それでは2つめの黄色い店を目指して歩いていきたいと思います。
第5話、浜松3大気になる黄色い店(伝馬町編)へ。 つづく