初めましてこんにちは、ルネサンス デザイン・美容専門学校に通う女子力が絶望的にない学生のシバです。
大人にもなって女子力がないことに危機感を覚えた私は社会に出る前に、メイクを覚えファッションを覚えた。よしこれでいいだろうと満足した私だがふと部屋を見渡す。眼に映るもの全てが漫画かアニメグッズ。見渡す限り推しである。とんでもない程幸せ空間だがこれはやばい、女子力とは?と本気で焦った。大人の女性ならもっとおしゃれなものがあってもいいだろうにそんなものは一切ない。とにかくおしゃれなお部屋のイメージで真っ先に思い浮かぶ植物グッズ(後にボタニカルと知る)を置いとけば何とかなると思い、お店に駆け込むも値段がべらぼうに高いため諦めかけたその時、今流行りのとある大型ムービーサイトに作りかたが載っているのを見つけた。一筋の光…。
ということで女子力皆無のあたいが、部屋をヲタ部屋からシャレ部屋へと改装し、自分を磨くためにボタニカルキャンドルを作ります。

もともと制作することは好きなので、すぐに行動に出る。が。
やはりというべきか、部屋なんて自分以外誰も見ないから、という浅はかな考えを持つ者の名は伊達じゃあなかった。道具もなければ知識も何もない、0からの状態でスタート。
ということで道具を揃えキャンドルの作り方を題材にした動画をパソコンで再生しつつ、いざ作業通話開始。
電話越しからのエールを受け止めながらの制作となります。

【道具】
・ドライフラワー ・ベビー用綿棒200本入 ・スパイラル綿棒200本入
・高級ローソク10号4本入り 2箱 ・ティッシュ ・クッキングシート
・サラダ油 ・はさみ ・カッター ・竹串 ・割り箸 ・ピンセット
・輪ゴム ・手鍋

まずはろうそくを切って容器の中に入れます。ろうそく4本のうち、2本半をぶつ切りし、綿棒の容器へとボッシュート。余りのろうそくは芯ごと鍋の中へ。
住居を奪われた綿棒たちの悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
すまない、後でしっかり戻しておいてあげるから今はあたいの女子力の礎となってくれ。

さて余って鍋に入れられたろうそくたちを火にかけてじっくりことこと溶かしていきます。本当ならこれは蝋の温度を、キッチン用温度計なるもので計りながら溶かすのですが、あいにく売り切れとのことでこちら感覚での勝負となっております。ちなみに鍋はホーロミルクパンなる素材を指定されましたが、実際使用したものはステンレス製。なんだか嫌な予感がする。

「大丈夫大丈夫、どうせ溶かして固めるだけだしいけるいける」
幾ら何でも舐めすぎではなかろうか。

壮大なフラグを立てながらさぁ流し込み作業の時間だ。

一滴溢れた気がするが気にしない。問題なく流し込みこのまま常温で固めます。
ちょっと固まってきたかなというタイミングで芯を差し込めとの指示。
ブッさします。

固めている間、百均で買ったドライフラワーを取り出しカット。
ちなみに花はこんな感じ。

30分経過。
それでも固まらない蝋にしびれを切らし冷蔵庫にin。しばらくそこで芯を冷やしていなさい。
その間すかさずオタ活に精を注ぐ。
新シーズンが始まったばかりなのだ。

約1時間後。冷蔵庫の中に入れた蝋の様子を見てみると

固まりました!(くそでか声)
だがこれで終わりじゃない。まだ油断するときではない。
第二の綿棒容器登場。画面外から綿棒たちの不満げな声が聞こえてきます。
それらを無視し、大きめの容器の中に先ほど固めたろうそくをin。
できた隙間にドライフラワーを入れていきます。

花の厚みがありすぎて中心がずれたがまあ大丈夫でしょう。あとはここにまた溶かした蝋を流し込むだけ。
ここまで何事もなく制作が進みなんだか気も緩みに緩みきっている様子。
さっきもやれたし大丈夫。

大丈夫が消えた。どエラいことになった。やはりフラグは回収してこそのもの。
余裕こいて溶かした蝋を流し込んだら量が足りなかったのが全ての始まりだった。
焦って新しく蝋を溶かすもミスって高温で溶かし、蝋が高温のまま容器に流し込んだ結果、なんだか変な音と共に変な匂いが部屋中に充満。(きっと花が焦げた)
みるみる中心の蝋が溶けていく。状況は悪化、緊急事態である。このままでは固まるどころではないとじたばた、今では写真を撮る余裕すらない。
熱々の蝋で熱々になった容器を持ち、冷凍庫に入れる。このとき容器が傾き私の指に蝋が付着。
あまりの熱さに「こちとらセルフS●プレイしとるわけとちゃうんやぞ!」と不可解な逆ギレ。
冷凍庫を汚しながらなんとか収容させることに成功しましたが、とんでもない暴れ馬だった。

一応固まりつつあるがそれでも不安である。定期的に冷凍庫を開けては確認を繰り返す。
母親が見ていたら発狂ものだ。
そんなことを思いながら何度目だったろうか、結構いい感じに固まったので取り出すことに。

入れたドライフラワーがほぼ消えたボタニカルキャンドルが完成。
形もなんだか歪だし、どうしてこうなったのだろう。
やはり温度計を使わなかったのと量の把握をせず感覚で作ったのがいけなかったのか?
キャンドル作り、舐めていた。キャンドル作り、思っていたより奥が深い…。
きっとこういうところなんだろうな。こういうところが大人の女性からかけ離れていく要因なんだろうな。なんだか深淵を覗いた気分だ。
二度とやらん。そう思いつつもやっぱり悔しいのであと数個作ろうと心に決め、道具を片付ける。
キャンドルをクラフト紙で包みこんで部屋の真ん中に置くと、ちょっと部屋がおしゃれに見えた。でもまだまだ理想とは程遠く、シャレ部屋への道は長い。